スキルの「迷い」は視点を変えれば消える。中堅エンジニアが次に学ぶべきは“技術”ではなく“影響範囲”

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WAKE Careerの面談現場から見えてきた、共通の悩み

WAKE Careerでは、これまで多くのエンジニアの方々とキャリア面談を行ってきました。
その中で、実務3〜5年目の方から最も多く聞かれる質問があります。
「次に何を勉強すればいいか悩んでます」
こうした悩みを抱えている方の多くの方が、すでに十分な技術力を持っています。
React、TypeScript、AWSの基礎は一通り触れる。タスクは期限内に完遂できる。
なのに、キャリアの手応えや評価が伸び悩んでいる。

先日面談した方からこんな悩みがありました。

「Reactを一通り触れるようになって、Next.jsも勉強しました。画面実装も早くなったけど、評価も給与も3年前から変わってない。何が足りないんでしょうか?」(※フェイク込み)

この問いに対して、私たちはいつも同じ答えを返しています。
私たちが対面する多くの方は技術力も十分で、学習意欲も高く、日々技術書やテックブログを読み漁り、コミュニティ勉強会にも参加をしてスキルを伸ばしています。

足りないのは技術力ではなく、その技術をどこまで届けるかという発想かもしれません。
学習のベクトルを「自分の習熟度」から「周囲への波及効果」へとシフトさせること。
それが、停滞感を突き抜けるための唯一の鍵となります。

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次に何を勉強すべきか迷ったら「影響範囲の広さ」で選ぶ

WAKE Careerは「IT業界のジェンダーバイアスをなくす」をミッションに掲げています。
採用選考の現場でわかってきたのは、従来の「技術スタックで人を測る」評価軸の限界です。

GoができるかRustができるかではなく、その技術を使って誰の、どんな課題を解決したか
これこそが、エンジニアの本質的な価値です。

  • これまでの視点: 「コードが書ける」
  • これからの視点: 「開発を加速させる、あるいは事業を伸ばす」

自分一人が速く書けるようになるスキルよりも、チーム全体のコード品質が底上げされるスキルを。
仕様通りに組めるスキルよりも、仕様そのものの妥当性を判断し、無駄な開発を防ぐスキルを。
この「自分以外」へと目を向けるシフトこそが、停滞感を打破する鍵になると考えています。

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実務3年目、「レビューが減った」は成長が止まったということ?

「最近、先輩からのレビューコメントがほとんど来なくなったんです。
最初は『認められたのかな』と嬉しかったんですけど、逆に不安になってきて」

これは、中堅エンジニアにとって一つの転換点です。

フィードバックが減るということは、一人で完結できるレベルに到達したという証拠でもあります。
ですが、今のあなたが出せる価値は、「自分一人が速く正確にコードを書く」ことにフォーカスをしていないか、振り返ってみてほしいです。

WAKE Career経由で転職したBさんは、前職で個人の生産性向上に注力していました。
しかし、転職先では視点を変え、チーム全体の開発環境改善に取り組みました。

個人の生産性を10%上げる学習をすれば、Bさん一人の作業が少し速くなるだけです。
でも、チーム5人の生産性を10%上げる学習をすれば、0.5人分の工数が浮き、
プロジェクト全体が加速します。

結果、Bさんの評価は半年で大きく変わりました。
「自分のコードを書く時間は減ったのに、評価が上がった」と教えてくれました。
レビューがなくなった今こそ、自立をゴールにするのではなく、
周囲への影響力をどう高めるかを再定義すべきタイミングです。


影響範囲を広げる「3つのレイヤー」と必要なスキル

影響範囲を広げると言っても、具体的に何を学べばいいのでしょうか。
ここでは影響を与える対象を3つのレイヤーに分けて整理します。

レイヤー1:チームへの影響

先日面談したCさんは、個人のコーディング速度には自信がありましたが、
「自分がいないとレビューが止まる」状況に悩んでいました。

そこで彼女が取り組んだのが、コードレビューのチェックリストとテンプレート作成です。
最初は「こんなの誰も使わないのでは」と不安だったそうですが、ジュニアメンバーから「これのおかげで何を見ればいいか分かるようになった」と感謝されました。

結果、チーム全体のレビュー時間が短縮され、ジュニアメンバーの自走率も向上しました。
Cさん自身のコードを書く時間は減ったのに、評価は上がったと言います。

このレイヤーで学ぶべきことは、テスト自動化、CI/CDの構築や改善、可読性の高いアーキテクチャ設計、ドキュメント整備、新人オンボーディングの仕組み化などです。
あなたがコードを書かなくても、チーム全体の開発速度と品質が維持されるようになります。

レイヤー2:他職種・組織への影響

Dさん(実務6年目)の転職理由は、「技術的には問題ないのに、PMやデザイナーとの会議で発言できない自分が嫌だった」というものでした。
面談で話を聞くと、「技術的に可能か不可能か」は即答できるのに、「なぜその技術を使うのか」「ビジネス的にどんな価値があるのか」を言語化できずにいました。
そこで彼が始めたのが、自社サービスのドメイン知識の徹底的な学習です。
ユーザーインタビューに同席し、カスタマーサポートのSlackを読み込み、競合サービスを使い倒しました。

半年後、Dさんは技術選定会議で「この機能は実装コストの割にユーザー価値が低い」と言えるようになったと話してくれました。
PMから「エンジニアなのに事業目線で話せる人」として頼られるようになり、給与交渉でも有利に働いたそうです。

このレイヤーで学ぶべきことは、ドメイン知識(事業領域の深い理解)、UI/UXデザインの基礎、技術選定の言語化、ビジネス指標の読み方などです。
「技術的に可能か」だけでなく「事業として正解か」という視点で議論ができるようになります。

レイヤー3:事業・ユーザーへの影響

このレイヤーで求められるのは、特定の技術スキルではありません。
事業責任者やCTO、PMの視点で物事を考える習慣です。

例えば、PMから新機能の開発依頼が来たとき、「技術的にどう実装するか」だけでなく、
「そもそもこの機能は今開発すべきなのか」「他にもっと優先すべきことはないか」という視点で考えられるかどうか。

あるいは、技術的負債が溜まっているとき、「リファクタリングしたい」と思うだけでなく、
「今リファクタリングすることで、どれくらい開発速度が上がるのか」
「新機能開発とのバランスはどう取るべきか」を事業的な観点で判断できるかどうか。

こうした視点を持つことで、「言われたことをやるエンジニア」から「事業を前に進めるエンジニア」に変わります。経営層やPMと対等に議論できるようになり、技術選定や優先順位決定の場面で意見を求められるようになります。


学んだ技術を、チームの課題解決に繋げる

技術を学び続けることは、エンジニアにとって大切なことです。
新しいフレームワークに触れたり、興味のある技術領域を深掘りしたりすることで、視野が広がります。ただ、学んだ技術をより評価に繋げたいなら、一つ視点を加えてみてください。
「この技術は、今のチームや現場のどんな課題を解決できるだろうか?」

例えば、コンテナ技術を学んでいるなら、
今の現場でデプロイに時間がかかって困っているチームメンバーはいないか。
自動テストを勉強しているなら、手動テストの負担で残業が増えている人はいないか。

学んだ技術と、目の前の課題を繋げることで、あなたの学習はチーム全体の生産性向上に直結します。そして、「この人は技術を使って、チームの問題を解決してくれる」という評価が生まれます。

WAKE Careerの面談でも、「勉強していることと、実務で求められていることが噛み合っていなかった」と気づく方は多いです。学習意欲が高いからこそ、その学びを現場の課題解決に活かすことで、影響範囲は大きく広がります。


影響範囲を広げることが「自由」に繋がる理由

ライフイベントやキャリアの柔軟性を重視したい女性エンジニアにとっても、
影響範囲の拡大は強力な武器になります。

属人化を排除し、チームで成果を出す

「自分にしかできない作業」を抱え込むことは、一見必要とされているようでいて、 実は自分を縛り付けます。
逆に、自分がいない間も回る「仕組み」を作れるスキルがあれば、 ライフイベント時に休みやすく、また復帰しやすい環境を自ら作り出すことができます。

マネジメントだけが影響範囲ではない

「影響範囲を広げる=管理職になる」と誤解されがちですが、そうではありません。
テックリードとして技術選定の責任を持つ、あるいはDeveloper Experience担当として生産性を支えるなど、技術を軸に影響を広げるスペシャリストの道は多様に存在します。

コミュニケーションを「技術」として再定義する

丁寧なドキュメンテーションや、多職種との合意形成スキルは、性格や資質の問題ではなく
「学習可能な技術」です。これらを磨くことで、限られた時間の中で最大のパフォーマンスを出す「賢い働き方」が可能になります。

不確実性に強いエンジニア像

特定の言語に依存せず、「課題を見つけ、技術で解決し、周囲を巻き込む」という影響力の源泉を持っておけば、言語のトレンドが変わってもあなたの市場価値が暴落することはありません。

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よくある質問

Q1:影響範囲を広げたいが、今の現場では任される範囲が狭いです。

A: 範囲は与えられるものではなく自分でに広げるものと捉え直してみてはいかがでしょうか。
例えば、自分のタスクが終わった後に、誰も手を付けていないリファクタリング案を出したり、 マニュアルを作成したりすることから始めてみてください。
小さな改善の積み重ねが、周囲の信頼を勝ち取り、大きな任を任されるきっかけになります。

Q2:技術を深めるスペシャリスト志向ですが、それでも影響範囲は意識すべき?

A: もちろんです。 真のスペシャリストとは、その深い知識を使って「組織全体の技術水準を上げる人」や 「誰も解決できなかった難解な課題を解決して事業を救う人」を指します。
深めた技術を自分の内側で完結させず、どう外に出すかをセットで考える必要があります。

Q3:何を学べばチームのためになるか、見極めるコツは?

A: チームメンバーが「いつも同じことで愚痴を言っているポイント」や「時間がかかっている定型作業」を探してください。それがチームのボトルネックであり、あなたが解決すべき優先順位の高い課題です。


視座を一つ上げれば、勉強すべきことは自然と見えてくる

「何を勉強すべきか」という迷いは、
あなたが「与えられたタスクをこなす作業者」を卒業し、
次のステージへ行こうとしている証です。

今日からは、エディタに向かう前に一度自分に問いかけてみてください。
「このコードは、誰の課題を解決し、どこまで影響を与えるのか?」

技術はあくまで、誰かを幸せにするための強力な「手段」です。
その手段を使って、自分以外の誰かの世界を少しでも良くしようとする姿勢こそが、
エンジニアとしての最強のキャリア形成に繋がります。
視点を「自分」から「周囲」へ。
それだけで、あなたの学習ロードマップは驚くほど明確になるはずです。

「自分の影響範囲をどう広げるべきか、今の現場だとイメージが湧かない」
「スキルの方向性は見えたけれど、客観的な意見が欲しい」

そんな方は、まずは当社のキャリアアドバイザーとカジュアル面談で話をしてみませんか?
今抱えている「スキルの迷い」や、 目指したいエンジニア像について、ざっくばらんにお話しできれば嬉しいです。

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